海街diary 1 

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃海街diary 1 蝉時雨のやむ頃
(2007/04/26)
吉田 秋生

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吉田秋生は、日常の生活のちょっとした気持ちを拾い上げるのが抜群にうまい。
名作、河よりも長くゆるやかに、だったり、桜の園、などでおなじみ。
鎌倉の一軒家でくらす3姉妹のもとへ
家族を捨てて昔でていった父親が亡くなったという知らせがはいる。
その葬儀へ出ることで物語がはじまる。
もう、そう聞いただけで、ああ、なにかあるのね、と期待させてくれる。
その、なにか、は
特別な事件ではなくて、
自分たちを捨てた父へのそれぞれの思いを
ふりかざすことなく、冷静に描いてくれるんだろうな、という期待。
期待通りに、出席した次女と三女は、あまりに幼すぎて父の記憶も薄く
なんの感情もないなあ、と淡々としている。
ただ、そこで暮らしていた自分の感情に溺れる現在の妻や
3姉妹の母と現在の妻の間にさらにいた女の子供を観察する目に
ひきこまれていく。
その子供は、中学生なのに、現在の妻(中学生からみたら血のつながりのない)より精神的に大人で
葬儀の席でも、あれこれ気をつかう。
読者もやってきた二人も、その子があまりに大人であるがゆえに不憫で
気をもんでしまう。
そこに、父を拒絶し、葬儀には出ないといっていた長女が現れる。
長女って、しっかりしてるんだよな。
そういう性格づけも、うまい。
そして、長女が、その中学生を子供に戻してあげるのだ。
ああ、なんて、うまい。
なんて、胸にくるんだろう。
親のことを考えたり、自分が中学生だったころを思い出したり。
吉田秋生の描く感情は、自分の中のいつかの感情に重なる。


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